企業等における暴力団対策の基本
平素の心構えと準備
基本方針の確立
- 暴力団等の不法、不当な要求には絶対応じない。
- 暴力団等を絶対に利用しない。
- 暴力団等とは常に一線を画しておく。取引はしない。
- 暴力団等との問題はすべて法の俎上にのせ組織的に対応する。
- 警察、暴追センター、弁護士等との連携を密にする。
組織的な対応体制を整える
- 企業、行政機関等の暴力団等排除条項の規定
企業等と取引相手との法律関係を規定する契約書、規約、取引約款等に「暴力団等反社会的勢力」を拒絶する旨を規定、取引開始後に相手方が「反社会的勢力」であった場合は契約を解除して排除できる旨の規定を設ける。 - 組織全体としての対応体制の確立
総括責任者としての「不当要求防止責任者」を中心に、基本方針の組織内への徹底、対応責任者の指定をはじめ、組織としてあらかじめ有事に即応できる体制を整えておく。 - 資機材の設備
応接室の指定と設備
証拠収集のための資機材の設備
応接室のモニター、ビデオ、録音機材等。 - 社内の報告、連絡体制の確立
各部門間の報告、連絡要領(システム)を定め、どの部門からでもアプローチの段階から(取引上のミス、工事ミス、交通事故、社員の非行等)いち早く、事実がありのままに責任者に集中するシステムを構築し、組織として統一的に対応できるようにする。
対応の基本的心構え
- 恐れず毅然とした態度
暴力団等を必要以上に恐れることなく、また侮ることなく、腹を据えて毅然とした態度で対応する。 - 冷静にして根気強い対応
相手の挑発に乗らず、落ち着いて冷静に、しかも根気強く、主張すべき事は主張してスジを通す気概で対応する。 - 法律、社会のルールにそった解決
水面下での解決をせず、法律や社会のルールに沿った誰もが納得する解決を図る。
具体的な対応要領(対応10則)
暴力団対策法
1
人の弱みをネタに口止め料を要求する行為
2
寄付金・援助金等を要求する行為
3
下請参入等を要求する行為
4
みかじめ料を要求する行為
5
用心棒料等を要求する行為
6
利息制限法に違反する高金利の債権を取り立てる行為
7
不当な方法で債権を取り立てる行為
8
借金の免除や借金返済の猶予を要求する行為
9
不当な貸付け及び手形の割引を要求する行為
10
不当な金融商品取引を要求する行為
11
不当な株式の取引き等を要求する行為
12
不当に預金・貯金の受入を要求する行為
13
不当な地上げをする行為
14
土地・家屋の明渡し料等を不当に要求する行為
15
宅建業者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
16
宅建業者以外の者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
17
建設業者に対し、不当に建設工事を行うことを要求する行為
18
不当に集会施設を利用させることを要求する行為
19
交通事故等の示唆に介入し、金品等を要求する行為
20
因縁を付けての金品等を要求する行為
21
許認可等をすることを要求する行為
22
許認可等をしないことを要求する行為
23
売買等の契約に係る入札に参加させることを要求する行為
24
売買等の契約に係る入札に参加させないことを要求する行為
25
人に対し、売買等の契約の入札に一定の価格その他条件で申込等を要求する行為
26
売買等の契約の相手方としないことを要求する行為
27
売買等の契約の相手に対する指導等を要求する行為